課題:エネルギー

 このところ国内・海外共に電力対策の話題で持ちきりです。

 
 つい先日も、サルコジ仏大統領や世界最大級のフランスの原子力産業副業企業アレヴァも来日しました。たしかに当初から今回の原子力問題にフランスの友人達は敏感でした。もちろん外交的・人道的な要因からの来日だとは思いますが、ヨーロッパ一の“デモ(行進)大国”フランスのことです、国内の批判を抑えるためというところも大きいと思われます。


 今日から再開したディズニーランドの経営者・オリエンタルランドが夏に向けて出力1万5000キロワットの自家発電を導入すると発表しました。数日前でいうと、Googleが太陽熱発電に参画という報道もありました。


 ディズニーランドはアトラクションに電力を使うからとわかりやすいですが、Googleがなぜ太陽熱発電に参画なのでしょう。もともと震災前から電力産業に彼らは参入していました。でも、何故。


 数日前の記事の中にも「データセンターで多量の電力を消費している(…)」とありました。ここでは簡単に言及するに留めたいと思いますが、データセンタとは「お金のかわりにサーバを預かるセキュリティ対策もしっかりとれた銀行の金庫」とイメージしていただければよいのではないかと思います。先日3部作にわたってお話ししたレンタルサーバもほとんどといっていいぐらい、データセンターから運営されています。


 サーバーが動くと大量の電力を消費します。
 それと同時に音もうるさいですし、ビックリするぐらい熱を発します。たまにその横で仕事をすることもあったのですが、その暑さと音でたまに朦朧としていたことを思い出します。データセンターにはその熱を冷ます空調があるそうなのですが(私はついぞデータセンターを見学することはなかったので“そうですが”なのです。)、もちろんそれにも電力がかかります。そして、インターネットは24時間存在していることから、データセンターは24時間フル稼働しないといけません。以上がインターネットに関わる企業、特にGoogleのようなサーバ環境を提供するサービスが大量の安定した電力を確保する必要がある理由です。


 そのような企業は大量の電力を消費しますが、私たちは、彼らが提供するサーバ環境を利用することによって、わざわざサーバ環境を用意する必要がなくなります。つまりそれにかかる電力がなくなるということですから、全体でみると節電になるということです。さらに、将来的には大規模なコンピュータールームから電力の操作が行われていくだろうという物理インフラのインテリジェント化もリンクされてきます。そうしたことから、このところ電力対策の話題と並行してクラウドサービスのことが話されているといったわけです。また、節電以外の他の副産物も多くあります。それはまたの機会にお話しましょう。


 話は少しそれましたが、今回の震災で「一つのエネルギーに頼りすぎてはいけない」ことを私たちは学んだように思います。かといって、原発反対だけをやみくもに謳うのは安易ではないかと私は思います。当初原発は生産性がある上に地球温暖化をさけることのできる魔法のようなエネルギーに見えたのです。私がいいたいのは、どんなエネルギーが考えられて、各エネルギーがどれぐらいのスパンでどれぐらいの量が取り出せるのかをまず理解することが必要ではないでしょうかということです。それを知らずして、各エネルギーに対してどれぐらい人類が努力しないといけないかは見えてこないはずです。


 もっと具体的にいいましょう。
 特に太陽エネルギーや風力エネルギーのような自然エネルギーは得てして生産に時間がかかるものです。どのくらい時間がかかって、どのぐらいの発電が見込めるのかわかった後何ができるのか。その他何で発電していけるのかを考える段階にすすめますよね。原発のセキュリティ力をあげるのか、火力発電でも石炭からLNGへと移行するなどできるだけ二酸化炭素を出さないような仕組みを考えるのか、昨今問題になっている大量のゴミでさえ、もっと発電に利用できるよう二酸化炭素排出軽減技術を検討していいはずです。もしくは、そもそも二酸化炭素自体をエネルギー発電に使えないのか…という案もでてくるようになります。そんな案が出た後ようやく、どれが一番スピーディーでリスクが少ないか、そして、日本の環境にあっているのかを検討することができるのだと思います。優先順位をつけながら、でもポイントは「一つのエネルギーに頼りすぎてはいけない」なので、自然エネルギー発電もあわせ、可能なかぎり同時進行で前に進むことが必要なのではないでしょうか。


 ですから、まずは皆で知ることからはじめませんか?